WOWOWでみた。割とよかった。
米国に住む女性サラは、日本の学校で教師をしている双子の妹ジェスが青木ヶ原で行方不明になったと聞いて日本に飛ぶ。学校関係者によればジェスは学校行事のハイキング中、青木ヶ原樹海に消えたという。サラは青木ヶ原で出会った雑誌記者エイデンから、サラが妹を捜す様子を取材したいと頼まれ、彼や現地ガイドのミチと樹海で捜索を開始。妹が持っていたテントを見つけたサラは、妹が見つかるまで樹海から帰らないと決めるが……。
どうせ実験的なキワモノで、びっくり箱が申し訳程度に入ってる映画なんだろうなと思っていたら全然そんなことはなかった。
序盤から双子の片割れや霊感のようなホラーを意味する要素が積み上げられ、その後も裏切りを予想させる関係や明示された異界への入り口やらいいタイミングでの怪我やら、休むことなく重ねられてゆく。
雰囲気とホラー文脈との間にメリハリのようなびっくり箱的演出が挟み込まれるが、このびっくり箱的演出はほとんどお約束みたいなもので、実際はそれらが主人公の傍に居続けているという意味のほうが重要だ。これがあるから主人公が霊障にあっていて意識が乗っ取られつつある状態にあることが際立って映る。
旅館を徘徊するババアがいるが、これの本当の恐ろしさは実在している人間が徘徊しているということに尽きる。霊や幻覚などとは比較にならない。このババアは本当にいるのだ。霊や雰囲気に重きを置いた作品だからこそ、この事実が後から効いてくる。
クライマックスのサラが霊に乗っ取られておかす粗相の数々は、ああクライマックスなのだなと。
最初から最後まで落ち着いた雰囲気で進められてゆくホラー映画で、存外に気持ちよく観ることができた。
ただ思ったのは、ホラーの文脈やお約束などを忠実に守られていることで映画に対する信頼や安心感などが自分の中に生まれてしまっていたのだが、それってどうなの、ということだ。
ちゃんと作られた映画ほどこの傾向は顕著なように思う。
だから、どこで外すかというところが重要なのだろうけど、この作品は雰囲気がとても良かったので、外さないことがむしろ重要だったのかもしれない。
だとすると、安心感などは狙い通りなのかもしれないな、なんて思った。
あとナタリー・ドーマーがかわいい。
なにで見たのかなと思ったら悪の法則だった。納得。
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